鬱を食らわば

元うつ病不登校児、アラサーでうつ病再発しました。

納涼祭③ 飲食店が凄い篇

うつ病絶賛再発中のkuraです。

 

中学1年で初めてうつ病を発症、約2年間闘病後

何とか持ち直し中卒で地元の百貨店に入社。

長期派遣社員として約8年間働いた飲食店が

最恐だった話、聞いてくれます…?

 

働き始めてすぐ、お客さんだと思ったら違った

という現象は毎日何度も起こりました。

そんなのまだまだ序の口だったんです。

 

ただの通りすがりなら気にもしなくなって暫く経ち

毎日同じ顔を見ることに気が付いていました。

グレーのスーツを着た坊主頭の初老の男性です。

厨房で作業している時に限って現れるのですが、

カウンター越しにひょっこり顔を出し、こちらが

顔を上げて姿を確認するとサッと隠れてしまいます。

 

周辺視野に映り込む謎の男性が気になって仕方なかった。

視界にはバッチリ入っているので気になる気になる。

こちらを伺うようにカウンターから出入りしていた顔

私が面倒臭くなって無視していると段々と出っ放しに…

いい加減気味が悪くなってパッと顔を上げると引っ込む。

 

何のゲームだよ。と、ある時ちょっとした実験を思いつき

試したことがありました。

顔を上げてサッと引っ込んだ後、そのままずっと見ていたら

どうなるのか…?

見ている間は出てこないのだろうか?…気になる。

やってみました。いつも通り出たり入ったりを繰り返す顔が

引っ込んだタイミングでカウンターを凝視!

フフン、これで出てこられないだろう(=゚ω゚)→

 

出ました、思いっきり。

 

一瞬出て、向こうの方が驚いた顔になりすぐ引っ込んだ。

思いっきり目が合ったんですけど(;´・ω・)

カウンターから「調子どう?」と言わんばかりに毎日毎日

顔を出す男性を段々と無視できなくなってきてしまい…

 

ある日、思い切って店長に相談しました。

 

「毎朝こんな風貌の男性が何度もカウンター越しに

ひょっこり顔を出すんですけど、何か知りませんか?

最初はお客さんかと思ったんですけど、開店前なんです

誰も居ないんです。生身の人じゃないんみたいなんです」

 

変人扱いされるかと思いましたが、返答は意外なものでした。

 

あら、何だ…あんた見えるの?それ昔の社長だよ。

 

店長の話によると、十年以上前に亡くなった方で

当時この百貨店の社長だった人だそうです。

店長と顔馴染みで、いつもグレーのスーツを着ており

毎朝カウンター越しに厨房を覗き、ようっ!と挨拶を

交わすのが彼の日課だったそうです。

亡くなってからも生前のルーティンを繰り返していたのか。

 

それを知ってからは気味悪いという気持ちも消えて、

微笑ましく迎えてあげることができるようになりました。

今日も頑張って働いていますよ、と心の中で報告しました。

 

そう、彼は良かったんです。彼だけなら怖くなかった。

問題は他のやつですよ。

 

ある日、一人で朝の仕込みをこなすのにも慣れて

開店前にホールの掃除をしていた時のこと。

箒と塵取りを持って屈みこみ、テーブル席の奥のゴミを

一心不乱に掻き出していました。

 

ゴミを手前に集めて、よしっ!と立ち上がろうとしたら

自分の足の横に誰かの足がありました。かなり近距離。

一瞬で凍り付いて立ち上がれなくなりました。

 

私が潜り込んでいるテーブル席の椅子に、

誰かが座っていたのです。

 

綺麗なバラの刺繍が入ったスカートを履いた女性の足でした。 

こんな近くに人が座ってきて気が付かない訳が無いし、

お客さんならわざわざ掃除中の席に座るのは不自然過ぎる。

それ以前に、開店前で入り口は閉まっていて誰も入れない。

照明も点いていない。客ではないのは明らかです。

 

私は屈んだまま素早くゴミを拾い集め、振り返らずに走って

厨房に逃げ込みました。そしてカウンター越しに恐る恐る

ホールを覗くと、そこにはもう誰も居ませんでした。

 

店長が出勤してくるとすぐに今朝の出来事を話しました。

先の社長の一件があってから、何でも相談できるように

なっていたのです。ありがたや。

珍しい綺麗なバラの刺繍入りのロングスカートが印象的

であったと話すと、店長は驚いた様子で話しだしました。

 

私が入社する数か月前に、店長の幼馴染でもある常連客が

癌を患っていることが発覚し、入院していたそうです。

発覚した時には既にかなり進行しており手術も出来ず、遂に

今朝方亡くなったと連絡があったそうです。

その方は手芸や和裁洋裁が趣味で、洋服も自分で仕立て

特に自身でバラの刺繍を施したスカートがお気に入りで、

よく身に着けていたとか。

「世界に1つしかない自慢のスカートよ」と周囲に自慢

されていたそうです。

 

最後に挨拶に来たんだ…と遠い目をして涙ぐむ店長。

挨拶なら店長不在の店ではなく店長の自宅に行ってくれ

…と、一人心の中で愚痴をこぼす私。

良い話っぽくしないでください怖かったんです(;´Д`)

 

またある日、開店前に厨房で1人朝の仕込みをしていました。

薄暗いホールに気配を感じて顔を上げると、青いベビーカー

が見えました。薄暗かったし逆光だったので色は微妙に違う

かもしれませんが…。

手足をブラブラと遊ばせている幼児のシルエットが見えました。

あ、お客さんだ!と反射的に厨房からホールに飛び出した瞬間、

ホールが薄暗いことに気付き、まだ開店前だったと悟る。

 

店は百貨店内の地上7階に位置します。1階の入り口は

シャッターが降りて施錠されており、エレベーターも

止まっています。ベビーカーがどうやってここまで…?

 

お客さんじゃない…!!( ゚Д゚)

気付いてから、よせばいいのにホールの奥を覗き込む。

ベビーカーの脇に母親らしき女性が立っていましたが、

とてもじゃないけど見ていられない風貌だったので

目に焼き付く前に素早く回れ右して厨房に隠れました。

 

見紛う筈もない、明らかにこの世の人じゃない姿でした。

幸い、その親子は単なる通りすがりだったようで2度と

見かけることはありませんでした。

 

スーツを着たサラリーマン風の男性、茶髪パーマヘアの

今時っぽい女性、老人、子供、影しか見えない何か。

通りすがりの人々は毎日物凄い数が通り過ぎていきました。

 

今のは客か、そうでないか。見分けるのが難しい時もある。

開店前や開店後なら分かるけれど、営業中でもお構いなしで

スッス、スッスと通っていく。

 

間違える度にゾッとしていたのが、慣れてくると腹立たしく

思えてしまう。

 

うぉ~、紛らわしい~!ヽ(`Д´)ノ

通るだけなら良いけれど、明らかに自分めがけて突進して

来たり、にやけながら話しかけてくる人も居て大迷惑!!

気付かれると嬉しいのか?それ楽しいのか?

気付かない振りをしていると怒鳴られたこともあります。

そんなに気付いて欲しいか?

 

何で私なんだ!店長もまぁまぁ見えるんだぞ!

たまにはそっち行け!←非道

 

何故あんなに見えていたのか分かりません。

少なくとも現在はそういったことは殆どないです。

 

多感な時期だったのか、場所が凄すぎたのか。

あんな職場は2度とごめんだと思う一方で、なかなか

刺激的な日々だったし飲食業やっぱり好きだったなと

最近は懐かしく思います。

 

見えたり驚いたりする以外に、たいした被害は

なかったのもあるかもしれませんね。

 

幼少期の家も現在の実家も、この店もそうですが

見えるだけ、聞こえるだけ、びっくりするだけ。

特に不幸になったとか大怪我したとかは無いんですよ。

 

生きてる時だって猟奇殺人の犯人みたいな本物の

サイコパスにお目にかかれることなんて滅多にないし

死んだからって急に猟奇的になる訳でもないだろうし

TVなんかで大げさに騒ぎ立てているような怨霊だの

悪霊だの悪魔だのに祟られる確率なんて殆どない

個人的には思っています。

見えるからって確率が跳ね上がるわけでもない気がする。

 

昔友達と見た海外のエクソシストを特集した番組で、

憑りつかれた老婆に神父様が「名を名乗れ!」と

言いながら聖水を振りかけると、盛大に暴れながら

 

うぅぅぅっぅぅ…ルシファー…!!

と老婆が呻いて大爆笑したことがあります。

 

いやいや、めっちゃ大物!めっちゃ壮大!ww

他に悪魔の名前知らないだけでしょwww

どんな大罪を犯したらルシファーに会えるんですかww

一人でケラケラ笑って友達にドン引きされました(;´・ω・)

 

病は気から。悪魔憑きも気から。

そんな言葉が頭に受かんだ。これも一種の病気なのだろう。

そういう意味では、神父様に浄化してもらうことで本当に

救われるのかもしれない。科学的にどうのこうのと言うのは

野暮なのかもしれませんね。

 

何が真実かなんて、人によって違うんだから。

元気は気から。除霊も気から。何事も気持ちが大切よね。

 

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